2025年初頭、香港保険業監管局(Insurance Authority of Hong Kong)は、リスクベース資本(risk-based capital、RBC)結果の報告要件を含む「保険業情報開示規則(Insurance Public Disclosure Rules)」案を発表し、その後同年8月に最終結論を公表しました。これらのルールは、香港リスクベース資本制度(Hong Kong Risk-Based Capital、HKRBC)のピラー3の下で、保険会社が公表すべき情報の種類、時期、形式について詳細な要件を定めています。本レポートでは、2024年末時点の開示データを分析し、香港の生命保険業界の資本健全性を評価する指標を提供します。
- 香港の主要生命保険会社10社は、2024年末時点で平均ソルベンシー比率230%と、健全なソルベンシー比率を開示しました。
- この10社の中に、ソルベンシー比率が199%未満の会社はありませんでした。
- 有配当契約は、香港の生命保険負債の70%以上を占めています。
- 有配当契約を株式で裏付ける比率は40%と比較的高く、今後も上昇する可能性があります。
- 香港の生命保険会社にとって最も重要なリスクは、市場リスク(例:株式リスク、金利リスク、信用スプレッドリスク)および保険リスク(例:解約リスク、障害リスク)です。
- 有配当契約の準備金による損失吸収能力の影響が大きいため、市場リスク資本要件全体では総資産の約5%という比較的低水準にとどまっています。