本稿では、2022年に最も読まれたミリマン・アイルランドのウェブサイト掲載記事トップ10を紹介します。2023年1月1日よりIFRS第17号が発効し、多くの保険会社が新たな変化に向けてそのモデルやシステムを準備していたことから、その迅速な実施に焦点を当てた記事が、昨年最も読まれた記事になったことは当然です。他のトップ10記事には、生命保険におけるデータ分析、ソルベンシーII QRTs、気候変動、リスク管理など、より広い分野のトピックスが入りました。

2022年に最も読まれた記事トップ10は、以下の通りです。

1. IFRS第17号：迅速な導入に向けた主な注目ポイント

   IFRS第17号は、まったく新しいコンセプト、結果を報告する新たな方法、そして多くのモデリングの課題をもたらします。本稿では、IFRS第17号の新たな損益計算書およびバランスシートが、どのような様式になりそうか、また迅速な導入に向けて注目すべき主なポイントについてお伝えします。

2. 生命保険におけるデータ分析とAIの活用

   生命保険会社は、機械学習（ML）および人工知能（AI）のモデルおよび技術をその事業のあらゆる分野で活用し始めています。本稿では、こうした技術の生命保険業界での利用例について概説します。

3. ソルベンシーおよび財務状況報告書の分析：2021年末

   アイルランドの生命保険会社の2021年末 SFCRsに関する本分析報告に詳述の通り、2021年の保険料、資産およびソルベンシーカバー率は良好でした。

4. ソルベンシーIIの報告：2021年末およびそれ以降

   2022年を通したソルベンシーII報告の準備を支援するため、本稿では、ソルベンシーII報告の2022年の報告期限および報告フレームワークの前年からの変更点についてまとめました。また、詳細なタイムラインを掲載し、主要報告期限をハイライトしました。

   先を見据え、2022年末のバージョンも ご覧ください。.

5. 持続可能性ファクター：ソルベンシーII委任規則のアップデート

   ソルベンシーII委任規則（Solvency II Delegated Regulations）に対する改定が2022年8月に発効し、持続可能性リスクとESGの検討事項がソルベンシーIIリスク管理フレームワークに統合されました。本稿は、この改定内容についてまとめています。

6. IFRS第17号：モデルの検証とガバナンス

   IFRS第17号モデルおよび結果の包括的検証の必要性について徹底的に調べるモデルの検証に焦点を当てた、IFRS第17号の関連記事が再度リストに登場しました。

7. 低金利環境における生命保険会社の課題

   低金利環境は、生命保険会社に課題を提示します。本稿では、低金利の経済的背景と、低金利がどのように商品開発、運用、資産・負債管理の戦略などに影響を及ぼしてきたかについて記します。

8. CP150：（再）保険会社のためのグループ内取引およびエクスポージャーに関するガイダンス

   アイルランド中央銀行（Central Bank of Ireland、CBI）は2022年7月に、コンサルテーションペーパー（CP）を公表し、（再）保険会社のためのグループ内取引およびエクスポージャーに関するガイダンス（Guidance for (Re)insurance Undertakings on Intragroup Transactions (IGTs) and Exposures）の提案内容に関する関係者の意見を求めました。本稿の目的は、IGTsに関わるリスク管理プロセスに関する本CPの主な提案内容についてまとめ、保険会社がこれを遵守する上で苦労すると思われる複数の分野を特定することです。

9. ソルベンシーII QRTs：EIOPA分類のアップデート

   EIOPAは、2022年12月31日以降2023年に適用する2種類のドラフト版定量的テンプレート（Quantitative Reporting Templates、QRTs）を公表しました。本稿では、EIOPAからQRTsへの提案された2022年末および2023年末の変更点をまとめます。

10. リカバリー計画ではなく、マネジメントアクションのツールキット

    本稿では、欧州の保険会社のリカバリー計画のベストプラクティスから何を学べるのか、また、より広範なERMプログラムのサポートにこれをどのように活用できるかについて調査します。