リスクとソルベンシーの自己評価(Own Risk and Solvency Assessment、ORSA)は、急速に保険会社にとっての世界的な規制要件になりつつあります。ORSAは統合的リスク管理(ERM)の主要要素の一つで、世界中の多くの保険監督当局が、ORSA要件を導入しています。
グローバルな進展の多くが保険監督者国際機構(International Association of Insurance Supervisors、IAIS)によるもので、そのIAISは、2010年10月に採択されたERMに関する保険コアプリンシプル16(ICP16)の一環としてORSAを求めています。特定の側面は国ごとに違いはあるものの、ORSA要件がICPの中に入ることにより、ORSAが実質的に世界的な要件になっています。
本紙では、IAIS要件を欧州で(ソルベンシーIIにより)適用される要件、米国およびオーストラリアで適用される要件それぞれと対比させています。また、他の多くの地域で適用されているORSA要件をまとめ、ORSAを組織に組み入れようとする際に保険会社が直面する一般的な多くの課題を確認し、こうした課題のいくつかに対する潜在的な解決策について触れています。