ビデオ:保険における創造的破壊と機会
先ごろ Milliman Integrateが主催したイベントで、有名な「Steve Jobs」の著者でありAspen Institute CEOのWalter Isaacsonが、特に保険のように時代遅れの業界において、創造的な破壊と変革を受容することの重要性について論じました。その後、短いインタビューではありますが、彼の話を伺いました。
ビデオ原稿
Walter Isaacson:ありがたいことに、ディスラプターは常に現れます。人が何の不自由もなくくつろぎきっていると、「自分ならポケットに何千曲も入れられるよ。皆ができると考えていることを自分なら変えられるよ。」とSteve Jobsのような人物がやってきて言います。
保険業界はチャンス、もしくはディスラプションに挑む多くの新しいテクノロジーが目の前にありながら、現在なにもせずにいる状態であると思います。例えば、ビッグデータ、簡易支払システム、仲間同士が集まり、希望するなら自分たちのリソース、ワークスペース、リスクをプールする決断ができるピアツーピア・サービスなどがあります。これらすべてが実行可能であり、業界はこれを脅威とは捉えることなく、むしろリスクをプールする新たな方法を見つける機会としてとらえるべきで、これが本来の保険業界というものであると考えます。
私自身も時々イノベーションのペースに驚くことがあります。Uber、Airbnb、WeWorkといったものを想定していますが、ギグ(単発・短期の仕事)と自己組織化するような人々を基盤にするような全く新しいタイプの経済を可能にするものです。一方で、金融サービス、幼稚園から高校までの教育市場、ヘルスケアのような業界にイノベーションが入り込むスピードが遅いことに驚くこともよくあります。こうした分野では、もっとデータ共有が行われ、数々の革新的商品を生み出すプラットフォームがもっとありそうだと一般的に考えそうなものです。
こうした流れにまだディスラプトされていないセクターは、寡占されていたり、規制が厳しかったり、政策により特定の基準があるような傾向があります。しかし、保険業界にも起こりますし、銀行業界にも起こります。これが危険なのは、旧来のやり方を守ろうとしている時に、突然、誰かがそれを回避するイノベーションに気付いたり、あるいは規制や保護の壁を超えて急にダムが決壊することです。
私がかつて働いていたジャーナリズム業界を含め、組織がディスラプションに巻き込まれると、社会に多大なコストが発生すると考えます。しかしながら、もっと民主的に業界を開放することによる恩恵は、通常、伝統的やり方では成し得なかった場合の不快感をはるかに上回ります。